ある突然、黒い画面のまま起動しなくなった。
2014年に購入してから約7年。Windows8のもので、いやいや、ノートPCとしては大変活躍してくれたこのノートPC。とうとう力尽きたのか、黒い画面にエラーが表示され、起動しなくなった。
00C08200 : Fun Error has Occurred.
ファンが故障とあるので、ファンの状態を見てみましょうか。以前、単純にゴミが挟まっていただけという事もあるし。
背面パネルの取り外し
この機種は、ネジ止めで主要なパーツ部分にアクセスが出来る優れもの。いいですねぇ富士通さん。
青〇のM1.5ネジは、中のファンと共締めの役割を果たすので、蓋を締める前に青〇ネジを締めないように注意したい。
先ずは、バッテリーは外しておく。右下のメモリアクセス用の蓋は外さなくてもOK。(ネジは外す必要あり)
右側側面に3つ爪があるので、左下の窪みから右側に引き起こすように蓋を開ける。
とても簡単。素晴らしいです。
因みに、左下のネジは、HDD固定ネジを兼ねている。HDDを取り外す場合は、黒い帯でHDDを少し持ち上げて、左にスライドする事で簡単に外れる。
冷却ファンを外す
さて、問題のファンだが、右上に鎮座している。ファンはもう一つのビスで固定されているのでまだこの状態では外れない。
状態を確認すると、やはり埃が大いに溜まっている。ファンを手で回してみるが固い。
このままでは掃除も出来ないので、最後のM1.5㎜ビスを外し、そして、ヒートシンクに接着されているアルミテープを剥がし、接続されているコードをマザーボードのコネクタから引き抜く。
すると、簡単に外れる。
外したファンをエアブローしたり、注油してみたのだが、やはり固着は取れなかった。寿命かな。あとで分解してその原因は調べるとして、ファンは直らない事が多いので交換を検討。
早速ネットで検索すべく型番を見てみる。
型番は、KSB0705HA-DH1Sとある。
裏の形状はこの通り。
ファンをネットで注文
早速ネットで検索してみると、結構出ている。
こりゃ助かる。以前も東芝PC用ファンでは国外との取引で痛い目に合ったから、国内で手に入るのは精神衛生上にも良い。
早速注文し、数日後に届いた。便利になったなぁ。
コネクタ形状、ビスの位置、大きさ問題なし、空気取り入れスリットの形状が違うぐらい。
勿論、MAID IN CHINA。
裏面に至っては、まったく同じと言って良い。ファンの回り具合も全然違い、新しいファンは指で触ると軽く回る。そりゃエラーも出るわけだ。
新品ファンを装着
旧ファン側についていた、シルバーのテープは恐らくは振動異音対策だと思うが、剥がして新しいファンの同じ位置に張り直した。なんとか粘着力も残っていたので貼る事ができた。
逆の手順で装着。アルミテープは何とか粘着力が残っていたので、そのまま戻した。あとでアルミテープで張り直しても良いかな。
さて、電源を入れてみる。今度は電源を入れた瞬間にファンの音が聞こえる。そして、無事、起動画面が表示された。
無事起動。直った。よかった~。暫く使えそうだから、SSDに換装しよっかな。
ファン固着の原因
ファンが何故回らなかったのか、エアブローしても外から注油しても改善しなかった。その原因を探るべく、分解してみる。
先ずは裏面のカバーから。このファンはネジを一本も使っていない製品。ん~、木工製品等なら拘りの技術と言えるが、電子部品となると手抜きと言わざるを得ない。プラスチックを溶かしてリベット状に押しつぶして固定してある。そこをカッター等で剥ぎ取ると簡単に外れる。
ファン自体は手で回すとやはり固い。モーターの中で何かが起こっているようだ。
ファンは裏から指二本で押し出すようにすると簡単に取れる。
Cリング等の固定部品は無いようだった。特に埃が詰まっている訳ではなかった。中央の軸受けはメタルのようで、その他は特に破損やショート等の不具合は見られなかった。
試しにメタル軸受けに少し注油してから、ファンの回転に変化があるか試してみる。
するとどうでしょう。滑らかさが戻った。実際に取り付けて起動を試してみたら、ちゃんとファンも回りOSも起動できた。ただ、耐久性は定かでないし、ファンの裏面カバーを元通りに戻す事が出来ないので再利用は難しい。ただ、このファンをネットで物色していた時に見つけたのだが、この裏面カバーが無い粗雑な商品もあった位なので、時間稼ぎとしてはカバーを外したまま付けても良いのかもしれない。
結果、ファンの固着原因は軸受けの油切れという事になる。でも、この手の不具合は、軸受けのクリアランス劣化であり、注油でも長くは持たないので、あくまで時間稼ぎと考えた方が良いだろう。
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