人生で5回目の胃カメラを飲むことにした。過去と現代の医学の差。

胃カメラ

今までICU1回、入院5回、救急車には5回乗った。カメラや医療器具は、自分の体の目やら鼻やら耳やら、穴と言う穴から入れられ、勿論、穴をあけて無理やり入れられた事も数回。

今回は胃カメラ。生涯で5回目。だが、最初の時よりかは少し楽になっている。と思う。大腸カメラは2回やってる。どっちも辛い。

以前、医者で見てもらっている時に、初老の男性が初めて胃カメラを飲むらしく、看護師にレクチャーされていた。そんな人も居るんだなぁと、自分の体の弱さを再確認させられる。これでも生きてるには違いない。

24歳の時に2回

1回目、2回目は24歳の時。まだピロリ菌も発見されていない時代。胃潰瘍、十二指腸潰瘍を併発し、ポリープまで出来ていた。検査とポリープ切除で計2回飲んだ。

勿論、鎮静剤なんてありゃしない。喉の奥にスプレーとドロッとした白い液体をお猪口一杯分程飲まずに喉の奥に溜める。口に含んでもいけない。カーテン越しに前の人の激しい嗚咽を聞きながらの順番待ち。その時点で気分が悪くなる。暫くすると喉がしびれてきて、意に反して喉の奥に流れ込んでいく。

自分の番。「たわし」で先生が前の患者で使ったスコープをごしごし洗っているのを横目に見ながら、診察台に横たわる。マウスピースをかまされ、親指程の太さの黒い管を否応なしに口に突っ込まれる。いきなり嗚咽。拷問以外の何物でもない。嗚咽の苦しさから口から目から鼻から液体が流れだす。突っ込まれる時間は5分程だが、嗚咽に死ぬ思いで耐え、終わった頃にはふらふらになっている。そんな時代だった。

30歳代に3回目

3回目は、やはり胃痛が酷いので、ピロリ菌が医学で発見されていたが、ピロリ菌除菌の保険適用がまだなされていない時代。胃カメラ担当医がまた「ど」下手で、一番嗚咽の原因となる喉の壁にぐいぐい押し当てるもんだから、もう頭の中では七転八倒する。同じくよだれ等で顔中がべとべとになる。結果、自分の胃にピロリ菌がいる事が判ったので、自己負担でピロリ菌除菌を行った。

40歳台4回目

それから10年。健康診断前にタイミング悪く風邪をひき、その病み上がり状態の咳がまだ収まっていない状態で胃のレントゲン(バリューム)を飲んだもんだから、あの顆粒炭酸のげっぷを我慢しながら、且、咳も我慢しなくてはいけない状態になる。その腹や胃に力を入れた状態で、更に駄目押しとして固い回転するベットで右や左回転のアクロバット体勢をとらされるもんだから、胃がひん曲がってしまったと思われ、それが原因で精密検査(4回目の胃カメラ)となった。

4回目の胃カメラを飲むときはかなり医学も進んでおり、初めて鎮静剤と言うものがでた。問診で、「お酒は強い方ですか?」と言う問いに、素直に弱いと回答した所、鎮静剤を少なくされたのか、全く麻酔的なものが感じられず、また嗚咽のオンパレードで苦しい思いをし、普通なら30分程度寝るらしいのに、全く寝る事なく病院を後にした。これなら車の運転も出来ただろうに態々、家内に送迎してもらってた。効かない理由は後述。

今回の5回目

こうやってリストしてみると10年に1回は飲んでいる計算。もう、他でも色々医者浸りで、人生損してる感。

先日5回目の胃カメラを受ける事を決意。なぜ受ける気になったかというと、これも4回目から10年以上経っているし、やはりそれなりの症状と、他に癌が見つかっているからに他ならない。

現在の技術では鎮静剤に加え、鼻から細いチューブを通す楽な胃カメラもできている。今までの苦い経験から、細いタイプをお願いしようとしたのだが、その細いタイプは鎮静剤は使わないという事。加えて、細いタイプは太いタイプより画像解像度が低く、詳しくは見られないという事だ。

今まで、カメラの他に4回手術をしているが全て局部麻酔なので、気が付いたら終わっているという全身麻酔的な体感した事がない。酒を飲んでも記憶がないという事も一度もない。なので、苦しい思いをしないで気が付いたら終わってるという未知の感覚に興味があったのと、勿論、苦痛を避けたかったかったので、あえて太い方+鎮静剤を選択した。

胃カメラの予約

胃カメラの日は2週間後。案外早い。前日21時から絶食+24時から絶飲。以前、同じこの病院で行った大腸検査と比べると、この前日の準備段階でかなり楽。大腸検査の様子は記事に起こすと見た目にも気分的にも害されるので割愛する事にする。

胃カメラ検査当日

8時45分に受付を済ます。待合で暫く待っていると呼ばれ、問診を済ました後、喉にスプレーをされ、点滴の針を刺される。そのまま看護師と検査室まで歩いて入り、診察台に横になる。その日また運悪く鼻が詰まり鼻で息をする事が難しい。ちょっと困った。カメラを飲んだ状態だと息ができるのだろうかと焦りが募り、更に鼻が詰まる。マウスピースをかまされ、この不安のまま5分か10分ほど放置される。例の鎮痛剤の効果はあまりない。先生が入ってきた。

鎮静剤が効いてない

目をつぶっているが、「シュー」と言う音と共にカメラのライトが顔を照らすのが判る。え?まだ意識あるぜ?ちょっとまっ・・・!

うぇぇっつつつ!

「行きますよ」の掛け声も無く、いきなり喉の奥にカメラが当たる。思わず嗚咽する。その反応をみてカメラを引く。

ちょっとまて、麻酔は?鎮静剤は?と思っていると第二弾が喉を襲う。やはり嗚咽する。同じく引いて、今度は暫く時間を置いて第三弾が喉に突入。まだ嗚咽する。先生たちが何か話しているが判らない。第4弾が入ってくると、何故か嗚咽は無くなり、そのまま喉にカメラがする~っと入っていった。鎮静剤が効いてきてきたのか、強い睡魔も襲ってきた。しかし寝落ちるまではいかなく意識は有る。

結局、終わるまで眠気はあるが意識ははっきりあって、その「目が覚めたら終わってた」感覚は味わえなかった。鼻つまりの不安も、呼吸には全然影響がなかったのは良かった。

検査が終わってから、うとうとしながらベット毎別室へ運ばれる。その後20分程寝た。意識が飛ぶのが遅すぎる。恐らくは膀胱癌手術時と同じく、どうやら鎮静剤は俺の体には効かないらしい。

胃カメラ検査結果

目が覚めたのでナースコールすると、まだ点滴が残っているのでなくなったらもう一度呼んでくれとの事。なくなったので点滴を外してもらい、待合で暫く待っててくれと言われる。流石にふらふらになっている。この状態で、何故か悩みも何もかも忘れて、爽快な気分になっていた。これが薬の効果のようなものか?

先生に呼ばれ、胃カメラの検査結果を言い渡される。「綺麗なもんですよ」と。ホッとする。え?じゃぁ、胃の引きつるような痛みはなんなの?と聞くと、それはまた別途相談させてくれといわれる。

・・・・い、今じゃ駄目なん?

まぁ、胃がんではない事は確かなので、そう慌てる事もないかと諦め診察室を後にする。家内に結果をLINEで報告する。まだ鎮静剤が残っているのか、直前に来た他ユーザのLINEにそのまま返信する形で誤爆してしまう始末。あらら。でも、いつもなら「やっちまった!」と悲壮感が漂うのだが、「まぁいっか~。」で済ませてしまう。これが健常者の意識なのか。いつもこんな感覚なら楽に生きれるんだろうなぁと思いつつ、今度は再確認して送信。車で迎えに来てもらって今回は事なきを得た。

暫くは胃の事で悩むことはないだろう。じゃぁなんなんだろう、一体このみぞおちの痛みは。

編集後記:一寸にも足らない戯言

自動車業界も、ヨーロッパ諸国の規制も相まって電気自動車の普及に拍車が掛かっている。加えて、既に展開されているハイブリッド普及は既知の通りであり、車の加速性能は飛躍的に向上している。特に電気自動車は、以前ならフェラーリやポルシェといったスーパーカー、ハイパーカーの類が大金を叩いて買った特権として許されている100km/h3秒前後という猛烈な加速性能が、見た目普通のファミリーカーがそれ以上の加速性能を高性能をアピールするが如く発揮できるようになっている。

先日も、岡山駅前の大通りで、マセラティ―が爆音を上げて加速しているのに、レクサスのハイブリッドが、同等かそれ以上の加速で競い合っている状況を見た。40km制限の3車線道路を、恐らくは100km/hはゆうに超えているスピードで走っていた。

現在、高齢者の運転ミスによる事故が多発と言う社会現象は既知の事実だが、今までは、マニアといわれる、ある程度の運転技量を持った人物が吟味に吟味を重ねて手に入れられる、極少数の間でのその加速性能を何能する事ができていたのだが、普通にポンと変える車にそれに似た加速性能を付けてしまうと、いくら自動ブレーキがあるとはいえ、スピードが出ると同制御もできないので、とんでもない事故が起こる事は容易に想像できる。

10代20代ドライバーがカーブを曲がり切れないといったニュースを毎日のように見る。車の性能が上がってもドライバーの技量は上がらない。

つい最近でも、かのテスラが暴走して死亡事故が起こってしまったのは記憶に新しい。従来の車よりもはるかに高い速度での暴走であり、このままその加速性能を野放しにしていると、新たな社会現象が発生するに違いない。電動、ハイブリッドのモーター加速を、レシプロエンジン、また、軽なら従来の軽自動車の加速に制限、加速に対しても、所謂64馬力自己規制と同様の仕様にしなくてはならないのではと考える。

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