膀胱癌が見つかった。(その10、尿路結石で再び救急外来へ)

過活動膀胱

膀胱の尿意、痛みは軽くなる時もあればどうしようもなく辛い時があり、症状に波がある。膀胱が小さくなって神経がやや過敏になってしまっている。所謂、過活動膀胱気味のようなので、尿意が有っても少し我慢し、お尻の方に力を入れたりして括約筋を鍛えると良いらしいのでやってみる。なるほど。少し症状が和らいだように思える。でも、それも波があり、全く効果が無い場合もあり辛い。結局それは長続きしなかった。

とにかく、膀胱の中を早く洗い流さなければならないので水を飲む。飲む飲む。辛いが飲む。すると、茶色だった尿が少しずつ薄くなり、ほぼ透明のピンクまでになった。

これは流石に飲みすぎだったのかもだが、ただ一日一日、感覚的に0.1㎜ずつ良くなっているようで、1週間すると少し楽になり、尿の色も通常に戻ってきた。喜んでいたその日の朝、左わき腹が少し痛む。

左下腹部に激痛が襲う

んーと・・・なんだろう、左下腹部に違和感。と思いながらトイレに行って出た瞬間に激痛に変わる。

あ、あだだだっつつ!!

思わず腹を抑えてうずくまる。ギリギリと締め付ける痛みが続く・・・と思ったら少し楽になってくる。下痢の痛みにしては少し違う位置の痛み。ちょっと様子見で出勤時間を遅らせてもらおうと連絡していたらまた痛みがぶり返してきた。今度は痛みが治まらない。それどころか痛みがぐんぐん増す。また蹲る。

ぐおおおおっ!

これは痛い。滅茶苦茶痛い。蹲まって動けない。顔から脂汗が出てきた。今までに体験した事の無い強い痛み。一体これはなんの痛みだ?もしかして腹膜炎ってやつか?それはヤバいんじゃないか。それにしても痛すぎて何も出来ない。1階で家事をしている家内を呼ぼうとしても大きな声が出ない。床をバンバン叩くが気づいてくれない。

暫くするとまた、少し和らいだ。そのすきに家内に伝え、取り合えず病院に連れて行ってもらう事にした。何とか腹を押さえながら車に乗り込んだ途端、またギリギリと痛みが出てきた。後部座席で手すり(アシストグリップ)に縋って死に物狂いで耐える。車の振動が体に響いて更に痛い。

救急外来

病院に着く頃にはまた和らいで、自力で歩けるまでになった。とりあえず診察を受け、検尿の後、点滴を打ちCTも撮る。そうこうするうちに痛みは何もなくなってしまった。

写真を撮る余裕は出ている。

先週救急で来たところなのに、また来てしまった。一体何なんだ俺の体。というか、着の身着のままで出てきたので裸足だし、薄着で寒い。頭ぼさぼさだしカッコ悪い。朝の外来診察は始まっている。その待合で診察を待つ。ちょっと周りの目が気になる。また家内には心配をさせてしまった。救急の予約なしで来たので診察まで2時間位待たされる。正直、このコロナ禍で長時間居たくない場所だ。

やっとの思いで診察を受ける。尿路結石との診断が出た。

世界三大疼痛

尿路結石の痛みは世界三大疼痛の一つで「そりゃ痛かったでしょう」と言われた。救急車呼んで来る人も居るよと。

そりゃ痛いわ。そうか、これが尿路結石の痛みというやつか。以前、この膀胱癌の初期症状として小さな石が出た事があるが、その痛みに比べたら何百万倍も違う。脂汗をかくと聞いていたが本当だった。石自体はCTには写ってないからもう外に出てしまっているとの事。石が動く度に痛みが出てたという事だ。なにより腹膜炎じゃなくて良かった。

点滴を打ち終わるまで処置室に寝かせてもらう。どうやら術後、腎臓からの排尿が良くなり、今まで溜まっていた石が出てきたのではないかと。そして、腎臓にはまだ1個あるとの事。

うーむ。それも怖いな。

まるで弾丸を込めた拳銃の撃鉄を起こした状態で、いつトリガーが引かれるのかをおびえながら待っている、そんな恐怖感を感じる。せめてセイフティーロックを・・・と訳の分からない事を思う。

今回は家だったからよかったものの、車の運転中とかに出たらどうしようとかまた不安が過る。カルシュームが不足すると石が溜まりやすいと言われたので、これからカルシュームを取る食事にしようと家内と相談しながら点滴が終わるのを待ち病院を後にした。

症状が良くなったと喜んでいたらこんな追い打ちをかけてくる。何かに呪われてるのかと思ってしまう。

病理検査結果

術後、救急を除いては初めての診察。病理検査ではとりあえず筋層には達していないので膀胱摘出は免れた。が、それはそれで辛い治療がまっている。BCG膀胱内注入療法。結核菌を膀胱に入れて、取り残した癌細胞を膀胱内粘膜と一緒に焼きとるというものだ。

かなり辛いらしい。そして、状況によってはもう一度同じ手術をするセカンドTUR-btが待っている。BCGは来月から始め、週一で6回行う。またどんな辛さが待っているのか、考えるとまた鬱になりそうだ。

膀胱は常にムズムズ感。尿の色は、綺麗な黄色が続いたと思ったらいきなり血尿になったり茶色や、白濁した尿が出る。たまに焦げた肉片のような黒い「もの」が出てくる。出てくる時に尿道が痛み、嘔吐する一歩手前のような「うっ」となる不快感と、尿道が締まるような痛みが現れる。エイリアンの子でも産むが如く尿道を押し開いて尿と一緒に「どろっ!」と出る。これがまた辛い。

兎に角、排尿直後でも尿意が消えず、夜眠れない。眠剤を処方してもらっているが、私の体には合っていないようで夜眠れない。癌には睡眠不足が一番悪いらしい。癌ケア担当の方が私の顔を見るなり、とにかく寝るようにしてくださいとのアドバイスを受ける。相当マズイ顔つきだったらしい。

この病院では診療科が無いので近くの診療所で体に合った眠剤を処方してもらってくれと言われた。次いでにその病院で鬱の薬も処方してもらった方が良いのかもしれない。

つづく。