社会人になってから、憧れの大型2輪免許取得に再挑戦(検定試験、後編)

2006年6月17日 2時間後。

すでに教習所に来てから、かれこれ2時間ぐらい経っている。

変に緊張が無くなり、複雑な精神状態。

2輪待機所で教官登場を待つ。雨はほぼ上がっていたが、路面は半乾き状態。路面を靴で擦って滑り具合を見てみる。

んー、どっちなんだろ、通常停止位置なんかなぁ~。と不安になっていたら、担当検定官登場。

やっと私の検定を始めてくれるらしい。

検定官
これだけ濡れてたら、停止位置伸びるよ。ラッキーだね。

あ、そうなん?

でも、あんましハンデを貰って受けるのは好きじゃない。実力で受かりたいんだよ。うーん、複雑な心境。

検定中は他の教習無しかと思ったら、中型2台がバンバン乗車している。

え?こんな中で検定できるんか?と不安になりつつ、プロテクターを付け乗車準備をする。これもイレギュラーじゃあるまいな・・・。

そうこうしていると、雨は上がる。そして、路面もドライに。

検定官
乾いちゃったね。

うん、その方が良い。いつもの調子でやればなんとかなるさと、自分に言い聞かせ、体操しながら更に検査員を待つ。その間、緊張度はどんどん上がってゆく。

ついに検定開始

そして、検定官がついに私の所へ来た。

来た来たぁ~!アドレナリンは最高潮に。

検定官。ヨロシクっす。甘くしなくてイイッスよ。

コース、無線や、減点の注意事項、その他もろもろの説明を受け、2台並んだナナハンを指差して検査員が一言。

検定官
どっちのバイクが良い?。

お、選ばせてくれるの?ほほぉー(’’

先週に乗った71号車が慣れてるかもしれないが、やはり72号車の方が安定しているから、72号車を選択。だってよ、71号車、真っ直ぐ走りませんぜ。

エンジン暖気後、検査員がスタート地点にバイクを運ぶ。

検査員が指導塔に登り、いよいよスタート。

ドギマギしながら前後確認、乗車手順をこなす。

エンジンを掛けた所で無線が入る

検定官の無線
・・・・・を左折、・・・をうせつ、・・・・・スタートしてください。

頭テンパッてますから、ほぼ「スタートしてください」しか頭に入らない。というか、聞こえないから意味ない。コースは頭に入れているから何とかなるか。

いきなりふらつく

兎に角発進。発進して1つ目の左折までは調子良かったが、徐行左折でいきなりフラつく。

あらら・・・・。

まずいまずい。うえぇ、既に減点だよ。ま、続けよう。

・・・しかし動揺は隠せない。さらに、

おお、夢に出てきた検定試験が、今試験受けてる。

なんて、変な感覚も相まって、さらに動転する。

3つめの交差点はいつもは右折だが今回は左折。その間に無線が入るが、

検定官の無線
・・・・・、・・・・・・

全然頭に入りません。とりあえずコース案内をしているようなのでそのまま続行。

最初の難関 急制動

さて、最初は急制動。

ウインカー戻してフル加速。1速!2速!40km超えた!パイロン通過!急制動!!!!ぎゅ~~~~!っっっとぉ。

リアはロックしなかったが、ちょっとスピード出しすぎか。停止線にちょっと前輪がかぶったように見える。止まった瞬間に無線が入る。

「う、やり直しか?」

検定官の無線
はい、次の坂道で一旦停止、信号を超えて、12番を・・・、踏み切り・・・

どうやら大丈夫らしい。ほぉ(^^;;

さて、次は踏み切りを超えて波状路。

検定官の無線
・・・右折、波状路、左折して・・・・、・・・・、

波状路

相変わらず頭に入らない。とりあえず波状路だ。

1速、立ち姿勢、ハンクラで徐行進入。ボン・・、ボン・・、ボン・・、ボン・・・。

お、これは我ながら良い感じ。難なく通過できた。

落ちれば一発アウト 一本橋

次は一本橋だな。相変わらず無線が聞こえるが耳に入らない。しかし、検定中止では無い事は判る。

コース半周して一本橋。深呼吸して後ろ確認。少し速め1速で進入。・・・が、少しふらつく。

えい、落ちるよりマシだ。とあまり粘らずに渡りきる。ふう。なんとか落ちずに済んだ。10秒行ってるか行ってないかかな。

次はスラロームだが・・・

さて、次は「あれ」だなと、スラロームを思い浮かべる。すると、無線で、

検定官の無線
・・・、・・・、スラローム・・・、

スラロームと言ってくれているのに、私は「クランクS字」の事を言っているのと勘違いする。え?クランクS字は最後でしょ?あれ?あ、あかん、わからん。

ちょうど一旦停止していたので、手を上げてコースを確認しようとするが、検定員反応無し。

どうやら手を上げているのを見ていなかったらしい・・・。

で、ハっと気が付く。そうか、スラロームだ。S字じゃない。了解了解。合ってたんだ。うーむ。動揺は半端ではないな。いかんいかん。とにかく、そのまま続行する。

定速走行

そして、無線が入る

検定官の無線
・・・・

何?今のは本当に聞こえん。・・・・・・・・ちょっと考えると、あ、「定速走行」と言ったのが判った。

はいはい。40km/hね。

うりゃっとアクセルをひねる。びゅーん!40km/h到達。暫く定速走行、ポンピングブレーキ、最徐行、最徐行のままカーブ通過。見通しの悪い交差点を身を乗り出して確認しながら通過と。

ここまで来るとちょっと安心してしまったのか、1速徐行なのに2速に入れてしまう。

う、やばいやばい。と1速に入れ直す。1速を確認するランプがちゃんとあるんだよな・・・。

いつもの目印が無い

そしていつも目印にしていたパイロンで右に寄せて・・・、と思ったらそのパイロンが無いよ。

あらッ!?

パイロンないっす!なんで?え?・・・え、えーと、確かこの辺だったよな。

なんとか予想をつけて右に寄せる。多分合ってる。

問題のスラローム

さぁ、スラロームにコースイン。

左ウインカー出してと、2速でスラローム。

ういんういんういん。

お、良い感じ。ゆっくりだけどパイロンに接触するよりはマシ。

無難にスラロームを通過。ほぉ~(^^;

最後の難関 クランクS字でまさかの。

さて最後のクランクS字。行きまっせ~。

クランク進入、左ウインカ、ハンクラで直立コーナリング・・・・と順調良く行ったつもりが、ライン取りを間違える。

あ、やばい。

クランク最後の左カーブで、ハンドルロックするまで切り込むが曲がりきれない。

おお、やばい。

黄色いパイロンがどんどん近づいて来る!

当たってしまう!

あたる当たる!(この間スローモーションに思える)

・・・・!!

とうとうふらついて左足を付いてしまった。コケはしてないが・・・。

げげげ・・足付いちゃったよ。サーっと血の気が引く。

しかし、幸いな事にパイロンにはギリギリの所で接触は免れ、足付いた事で車体をバンクさせコースに復帰出来た。無線では何も言われていないのでそのままS字に向かう。

動揺はMAX。

S字は動揺しながらもなんとか切り抜けた。

そして、最後の障害物を回避してスタート地点に戻ってきた。

一応、戻ってこれたな。足付いたけどなんとかなってるか?

検定終了

降車手順をこなして、最後にハンドルから手を離す。

・・・はぁ~、終わった。

検定員が指示塔から、「おつかれさまでしたー」と、言ってくれた。

私も、挨拶。

ふぅ。

私も検定員もお疲れ様。ヘルメットを被ったまま検定員の所へ行くと、

検定官
お疲れ様、ボーズを取って。

は?ぼーず?・・・ズ、ズラっすか?お、俺かぶってないっすよ・・・・暫く考えて、あ、防具ね。はいはい、ぬぎぬぎ。

さて、最後に検定員の「アドバイス」が始まる。

検定官
どうでした?

いやぁ~緊張しました。ふらついちゃいました。

検定官
そうね。ちょっとふらつくのを注意せないかんね。スラロームもちょっと遅いね。一本橋もちょっと速いね。でも波状路は良かった。急制動も良かったですよ。コースもメリハリ付いてて、良かったです。

急制動は、あのぐらいならOKなんだ。スラロームはやっぱ遅いよね。でも検定中止よりはマシなのだ。でも、足付いた件はどうなんだろう・・・。

検定官
まぁ、なんとか行けてるね。

おお(^^。これは、もしや・・・。

検定官
コース図を受付に返して、結果発表しますからロビーで待っていてください。

あいあい。

最後に検定員が、クランクのパイロンの状態を確認しに行っている。

当ってないってば。

検定員が「ダイジョウブダナ」と言う感じで、頷きながら事務所に帰っていった。

ふぃ~。とりあえず終わった。後は天命を待つのみ。

なんじゃぁこりゃ?

帰りに教官に出会い、なんとか終わりました。と挨拶すると、

教官
クランクで足付いた?パイロンは当ってないんでしょ?じゃ大丈夫だよ。

と、助言してくれる。

そ、そですか?それなら良いんですが・・・。

で、ふと気が付く。私の服胸から腰に掛けて全体的に、白い糸くずのような物が沢山付いている。

・・・・なんじゃぁ~こりゃ~!!(byジーパン)

黒い服を着ていたのでこれが結構目立つ。こんなカッコで家出たっけ?暫く考えると、どうやらこれは蜘蛛の巣。コースのどこかに張っていた巣の中を通過したらしい。思うにクランクS字辺りかな。

糸くずをとりながらロビーで結果を待つ。先ほどの普通免許の連中が既にロビーに居た。

時間は既に11時半。

結果発表!!

はぁ、あっという間に過ぎ去った今日の午前。暫くすると、

事務員
今日、受かった方、・・・あ、2輪の方は結果まだですね~。

おい、4輪普通免許の方はもう終わっとんのか。俺、利用されてるよなぁ・・・。

4輪普通の連中は別の教室へと移動して言った。「ぽつん」と一人ロビーに残される私。

ふぅ。とにかく、疲れた。暫く抜け殻になったように、ぼーっとコースを眺めていると、

舘ひろしばり事務員
はい。検定の方、結果発表をいたします。電光掲示板に自分の番号が表示されれば合格です。

舘ひろしばりの事務員が渋めに言う。

私の受験番号は6。つーか俺しか居ない。ちょっと寂しい合格発表(^^;

ちょっと待つと、電光掲示板に1つだけ「6」が点灯する。

やた!合格!(^^

舘ひろしばり事務員
おめでとうございます。

舘ひろしよろしく、あの上目遣いで渋く言う。

あざーっす。

憧れのナナハンライダー

大喜びしたい所だが、あえて平常に振舞う。足ついたけど何とかなったみたいだな。ふらついたり足付いたり、自分では納得行かない検定だったが、要は受かれば良いのだ。

とりあえず妻にメールで報告。これで私もナナハンライダーだ。協力してくれた妻に感謝。

はぁ~、緊張が取れ、いきなり腹へって来た。それもその筈、12時を回っている。

妻が昼飯はご褒美に、私の大好物である「ケンタッキーにしよう」と言ってくれた。嬉しいじゃありませんか。

書類が出来るまでにはもう少し掛かりそうなのである。

偶然通りかかった教官に合格した事を伝え、お礼を言う。

教官
たまには寄ってくださいね。

ええ。再取得で来ないように気をつけますよ。

ご褒美のケンタッキー

2、30分過ぎただろうか、私の名前が呼ばれる。合格書類を渡され、免許書き換えの説明をしてくれた。封筒には、「検定合格おめでとう」と書いてある。素直に嬉しい。1ヶ月半の教習生活もこれでピリオド。長かった・・・。

家に帰ってお祝いのケンタッキー昼飯。ふぃ~(^^門真で限定解除事前 審査をしてから15年。ナナハンライダーになるという願いが、やっと叶いました。

合格と言う実感よりも、疲れた~って言う方が大きい。精神的にきつかった。

と、言う事で、5月から始まった大型2輪の挑戦は毎週土曜日に教習を受け、1ヶ月半で、何とかストレートで取得する事が出来ました。掛かったお金は大きかったですが、大型2輪という免許を得ると言う何にも変えがたい喜びを得る事が出来ました。応援して頂いた皆様、有難うございました(^^

さーて、何乗ろうかなぁ・・・。やっぱCBでしょー(^^、いや、BMWも捨てがたいなぁ、BUELLも良いなぁ~・・・。と、楽しい空想の時が流れていきそうです。

宜しければ、シェアお願いします。

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