iPad Air(第一世代)のバッテリ寿命
利用していたiPad Air(第一世代)が、7年目に突入したところで、バッテリの寿命がみじかくなっていたのだが、とうとう充電できなくなってしまった。
正確には充電出来ているのに電池マークが出て起動しないとか、起動はしたけどすぐに消費してしまうとか、症状が定まらないのだが、つまり使えないという事ははっきりしている。
バッテリのご機嫌が良い時は使えるので、根本は生きているがバッテリだけが消耗しているのであれば、替えてやればいいかな。Appleさんに下取りという手もあるのだろうが、あれは正常稼働状態でないと下取り(5,000円)にならない。じゃぁ、捨てる気持ちでダメ元で挑戦してやれと考える。
色々ネット記事で調べ、Youtubeでも交換作業風景を参考にしたりして、「あ、これじゃ俺でも出来んじゃね?」と軽い気持ちで挑戦してみたのだが、これがまぁ大失敗で。
バッテリを買う。
まずは、バッテリ。
色々売ってます。評価を見るとあまりよろしくない。某大手オークションでは、純正バッテリーと言ううたい文句で販売している。価格はツール付き送料込みで3,000円強。
ものは試しと発注。すぐにゆうパケットにて到着。
オペ開始
次は、いよいよケースを開ける。
そのバッテリに付属していたツール(ギターのピックのようなもの)でケースの隙間を狙って割り込ませるが、これが見事に入らない。まったく歯が立たないと言って良い。
では、カッターの刃を入れてみるがそれも入らない・・・。カッターの刃が入らないって、それ以外に何が入るんだ?
でも、それなりのツールが販売されているので、カッターの刃のようなスパッジャーというツールを注文してみる。
これでどうだ?と割り込ませるが、やぱり入らない。なんだそりゃ?
ケースはほとんど接着剤で固定されている。この寒い時期なので、余計にその接着剤が固くなってしまっている。
映像を見てみても、大体はヒーターで加熱して行っている。そうか。やっぱ常温では無理なのかなと、ハンダリフロー用のヒーターで周辺に少し加熱してみる。
すると、確かに力は要るがそのツールが入っていった。お?これはいけるか?と映像よろしく、スライドさせていくと、違和感がありつつもなんとか1辺は開いた。
一巻の終わり
その調子で次の辺にとりかかる。今度は固くなっている。なんだろう、そのままぐっと力を入れた瞬間、バキ。
ツールを入れている所から、画面中央まで落っことして割れてしまっているスマホをよく見るが、そういう感じで割れてしまった。
暫く茫然。
写真さえ取る事を忘れる。
ま、まぁ、こういう事なのね。
もう割れてしまったんなら使えないから、バキバキ言わせながらカバーをはぐっていく。
そして取れた図がこれ。
あーあ・・・。
右側は綺麗でしょ。そう。上側の2/3と底辺の1/3までは上手くいってたんだが、あとは見ての通りばっきばきのバッキバキ。我ながら情けなさすぎる。
表面を傷つけないように保護シートを張ったまま作業したのだが、そんなもの何の役にも立たない程無残な結果。
そして、そもそもタッチパネルの配線位置さえも把握していないので、取れたとしても配線をツールでぶちぎってしまっている。(赤丸部分)
Youtube動画では、簡単そうに剥がしていたので、なんだ、これぐらいなら常温でなんとかはずれんじゃねぇの?と軽い考えだったが、なんのなんの。めちゃめちゃがっちり固定されている。これはですね、結論としては手を出さない方が無難という事。
割れてから気が付いたのだが、「あ、あなたガラスだったのね・・・」という事。てっきりポリカーボネート等の樹脂製かと思っていたので、少々曲げても大丈夫だろと高をくくっていたのだが、これが「ダイゴサーン!!」(←ゴチ風)。
曲げちゃだめ。外していて分かったことは、やはりガンガンに熱して接着剤を軟化させないといけないという事。いくらなんでもとけるんじゃねぇのか?とおもうのだが、中身はノートPCのようにゴチャゴチャ詰まっているのかとおもいきや、流石はジョブズの息がかかっている内部の部品配置は整然としていて無駄がない。配線もまっすぐきっちり据え付けられており、且、部品自体も少なく、え?基盤ってこれだけ?と思うぐらい小さいので、少々の熱では何ともないようにも思える。というかそうするしかないだろう。
ただ、リフロー程加熱すると中の基盤がはがれてしまう。なので加減が大事なんだな。
バッテリーを外す為に液晶パネルを外す。
さて、気を取り直してバッテリーを外してみる。
液晶パネルを止めている四隅のビスを外すと、このように簡単に外れるのだが、赤丸部分に配線がとまっている。ので、ビスを外すと、凸凹で嵌っているコネクターがあるのだが、これは本当に簡単に外れる。
これは見えやすいように開けているが本当は、下写真のように上から開けるのが正解。
外れた。
そして、外して判ったタッチパネルの接続部分。
赤枠部分がタッチパネル用配線。小さくて見難いが、矢印が本来パネルに繋がっているべき方向。今回はぶち切ってしまった。。。
本当は最初にこの配線コネクターを外す必要がある。
フラップを上側から上げるとロックが外れる。それが判らなくて下側から上げてしまい、部品を折ってしまった。これは知らないと判らない。
バッテリを外す。
さて、肝心のバッテリを外してみる。
バッテリは両面テープで固定されている。スパッジャーで割り込ませようとするが、まったく刺さってくれない。1mm入ったかどうか。がっちがち。本当にガッチガチのがっちがち。こりゃ参った。
やはり加熱するしかないのか。もうこうなったらやけくそ(泣)なので、ドライヤーで手で持てなくなるまで加熱。するとゴリゴリ言いながら外れていった。その様子の画像は急いで行う必要があったのでありません。
因みにyoutube等での映像では、確かに明確に作業風景が判るのだが、ただ、静止画は静止画にしかない逆に情報量の多さがあると考える。実際、多くの映像を見て学習をしたつもりでもこの為体。どれだけその印象に残る情報を出す事が出来るかという事ではいないかと。いくら4kだの8kだの言ったって、ベストショットで且つ詳細に伝わらないと折角の映像は無駄じゃないか。なので、作業風景等は静止画の方が良いと私は思ふ。
閑話休題。
下半分が取た。この時点で、スパッジャーは溶けた糊でべたべた。
上半分はコネクターが右側にあるので、ネジを外しておく必要がある。
ただ、これは配線コネクターのように引き抜くことができない。それを知らない私は力づくで抜いてしまった。ええ。取れましたがね、コネクタ部分が損傷した。本当は基盤を外すか浮かせて外す必要があった。
コネクタ部分
これは、基盤をすべて外した状態でのコネクター部分。ここにバッテリー端子の穴が引っ掛かり、固定される仕組み。
なので、少し基盤を浮かせてその隙間から外す必要があった訳。
そのまま引き抜くとこうなる。
本当は下写真の真ん中のような形状。
切れてないっ・・・・。もぉええ。
因みに、バッテリの電圧は4Vでした。これはバッテリ表記にもあった。
別端子には2Vもあったりして、どう使うのかは勿論判らない。待機電力用か?
バッテリ比較
外したバッテリと純正と謳われていた、オークションサイトで購入したバッテリ(以下オークションバッテリ)の比較。
ぱっと見、同じにみえるが色々違う。
大きな違いは、利権、商標に関するマークの文字部分が無い。逆にCEマークはある。
そして、製造会社名が無い。総じて、権利関係表記はすべて削除されている感じ。
裏側に至っては、印刷は全くなく、はんこのようなものがひとつずつあるだけ。
コネクタ部分も表面処理が違う等、微妙に形状が違う。
結果は明らか。・・・これ以上追及するのは止めよう。
勉強がてら全部解体してみる
まぁ、ここまで来たらやけくそで全部解体してみる事にした。
バッテリを外した状態。各バッテリに対して2本の筋の接着剤が付いている。
コネクタ部分は流石にボルトで止まっている。それ以外は接着剤での固定。
接着部分はスパッジャーで基盤等を割らないように剥離していく。基盤部分は本体をヒートシンク替わりにしている為か、ここも強力に接着してあるので加熱はした方が良い。
取れた。
裏面。
ネジを外して思ったことは、とにかく小さい。1mm程度のネジなので、外すのも苦労するが、付ける時にも苦労する。ネジ山が繊細なので、少しでも無理をするとすぐにネジをなめてしまう。
ちなみに、ケースの側面にはカバーやキーボード等をドッキングする為のマグネットが張り付けられている。
結構、原始的だ。
因みに、練習の為、もう一度組み立ててみてみたのだが、
少々やけくそだったので、乱暴に扱った為、数か所ネジが入らなくしてしまった。
そして、オークションバッテリの有効性の確認と、タッチパネルを外したまま起動するかを確認してみたらこうなった。
完全に壊れてます。この画面の状態は恐らくはパネルを無理やり剥がそうとした時の衝撃によるものじゃないかと思う。
そして、この筋の表示は数秒で消えてしまう。すぐに電源が切れる。分解する前のバッテリ残無し警告のそれと同じ状態なので、オークションバッテリに予め十分充電はしていたが、オークションバッテリが使えないものだったのか、それとも元々基盤が壊れていたのかは判断できないが、やはり使えないという事は間違いない。
結局は新品買う事になった。iPad Airは今は上位機種に変貌しており高すぎて買えないので、ただのIpadを購入した。今は半導体が品薄なのか1か月またされた。
ふう。良い勉強にはなったが、少々高くついた。
以上、分解報告でした。
「だから何?」という指摘はご勘弁くださいませ(苦笑)。
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