ハードディスクの傷とは
ハードディスクがクラッシュしたと言う事は良く聞きますが、さて、実際には中身はどうなっているのか、傷というのはどのようなものなのか・・・。
この数年、クラッシュしたハードディスクを色々分解してきていますが、何故かクラッシュしているHDDなのに傷と言う傷はあまり目に見えることはありません。それでも読み込みできない症状や異音がします。このあたりがHDDの不思議な所なんですよね・・・。目では見えない何かが起こっている。しかし、今回は「派手に削りました!!」と言うHDDに遭遇しましたのでレポしてみます。
分解して確認する
クラッシュした対象のHDDは、使用期間2年足らずのハードディスクです。今回もジジジ、カランカランと言う音が鳴ってるので、同様なのかと蓋を開けてみると、散々な姿になっていてびっくり・・・。Seagete Barracuda 2テラで、3プラッタのモデルです。
あけたらまず、蓋の裏に黒い粉が付着しています。
おや?これは・・・。
そして、通常微細な削れカスや、埃のフィルターとなっている部分がその粉で真っ黒になっています。
レコードのような傷
そして、そのデータを保存する重要なプラッタは、いつもは鏡のようにきれいなのにこのような酷い状態に。
本当にレコード盤のようになっています。これほど酷いのは正直初めて見ます。表だけか?と思いましたが裏面、2枚目上下、3枚目表も同じ状態になっています。
何故なんでしょう?1枚だけとかならまだわかりそうなもんですが・・・。もうこうなったら削れている部分のデータ復旧なんて不可能です。恐らくは、ヘッドの精度の問題なんでしょう。
プラッタ3枚目の裏面だけはヘッドが付いていないので勿論無傷です。また、ヘッド自体は本来、磁気を読み書きする為の小さな石のようなものが付いているのですが、削れて全くなくなっていました。粉はこのヘッドとプラッタが削れた粉なんでしょう。
中国製・・・
色々検索してみると、このSeageteシリーズは同じような現象が発生していて、どうやら不具合のようですヨ・・・。まぁ、中国製だからな。ナゲット同様、工場で何やってるかわかったもんじゃない。
しかし、これだけ酷くなっているという事は暫く異音が鳴っているのに放置していたのだと思われます。その証拠にRAID1の一本だったので、警告にも気がつかず、また、データが見れなくなっている事もないので発見が遅れたと言う事です。
保障期間は切れているのでメーカにはなんとも文句も言えない。いけませんねぇ・・・。しかも2テラですから、今回はミラーの1本だから良かったものの、1本だけだったらえらい目に遭っているところです。容量が大きいのもこういうリスクがあるので、大容量は最低でもミラーを組んでおきたいものですね。費用は倍かかりますが、大量のデータを消失する事を考えたら安いものですね。バックアップも当然必要ですが・・・。
このディスクはI-ODATAの外付けHDDですが、メーカ純正を取り寄せると2万6千円もします。型番から同じ型をバルクで取り寄せると、送料込みで8千円程度で手に入ってしまいます。原価はこのぐらいだと言う事ですよね。でも、これだけ高価になると言う事はメーカが専用の細工をしているのかと思いましたが、すんなりRAIDの同期が開始され、問題なく使えるようになりました。手厚いサポートもせず暴利もええ加減にしてくれと言いたいもんですね。まぁ、記録媒体はもう回転体の時代ではないかもですがねぇ。
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