logitech g29 ハンコン修理(その7、修理復活編)

さて、私の中で困難を極めていたハンコン修理だが、原因の追究に移る。

現象の纏め

  1. 電源投入後、ハンコンが自動で左右に回ってキャリブレーションを行うが、ケーブル交換によってこれはほぼ正常に行われるようになった。
    本体基盤⇔ハンドル基盤の7Pケーブル導通不具合修理済み(キャリブレーション動作不具合原因)
  2. ハンドル回りのスイッチは全て正常。
  3. ハンドル操作、回転角度、ハンドルセンター、フットペダル動作問題無し。
  4. レーシングシムを開始後、状況にもよるが大体5分ぐらいフォースフィードバックは正常に行われるのだが、微妙に力が抜けてゆき、あるタイミングでスカッとフィードバックが切れる。

各部のチェック

  1. 配線、コネクタの導通チェック問題なし。
  2. ハンドル部基盤を交換するが現象は変わらなかったので、この基盤の異常ではない。
  3. 電源部分の導通チェック、電圧正常。
  4. トランジスタチップの導通チェック正常。
  5. ハンドル角度センサー取付、導通異常なし。
  6. コンデンサ(48μF50V)は微妙なふくらみ有り。
  7. フォースフィードバック異常時、モータ部(基盤最終制御チップ以降)への電圧ゼロ→モーター異常なし。
  8. 基盤には相変わらず便所臭あり(苦笑)

以上を踏まえて、疑わしい箇所一覧。

  1. どこか判らないが半田クラック。
  2. トランジスタ劣化による動作異常(初期正常、以降異常発生)。
  3. コンデンサパンク。
  4. モータ電圧最終制御IC異常。(←これが何かは判らん)
  5. どっかのSMDチップ異常。
  6. 基盤割れ。

オーブンリフロー?

とりあえずは、1、半田クラックを直すべく王道のオーブンリフロー修理を検討するが、コネクタ部品がナイロン樹脂の為、外さなければならない。その他、加熱してはいけない部品も数点ある。
それめんどい。それに副作用もある。

まずは、出来る限りのチップに半田ごてで再半田してみるが、結果変わらず。

コンデンサの交換。

防爆箇所が若干、本当にじゃっかんね、ひだりの方が右の平さに比べたら丸みがある。それから、この基盤の部品どりハンコンは製造年月日が1年古いので、新しい部品と交換すべく実施。

だが、変化なし。

トランジスタチップの交換。

特に私がショートさせて飛ばしてしまった丸印箇所のトランジスタチップが怪しい。

ちょいずれたけど何とか装着。

でも、変化なし。

MOSFETの交換

電圧最終制御をしていると思われる8本足のゲジゲジチップ(MOSFET)を変えてみる。

相変わらず仕事が粗い・・・。

上側チップだけ何とか交換してテスト。だが、初期キャリブレーション動作さえしなくなった。そのままプレイしてみると、あの電源喪失状態のハンドルが左一杯に切れた症状になった。

やはり、電源がない状態=ハンドル角キャリブレーションが無い場合、左一杯になったままでデータが登録されてしまうという事になるようだ。

このチップのはんだ付けが悪いのかと色々試したがダメ。元のそのチップに戻すと復活したので、替えたチップは飛ばした時点で逝ってしまっていたという結論になる。

最終手段のリフロー処理

もう人間の目では分からないので、どこかのSMDチップ異常という事になるのだが、同じくこれは人間の手で出来るものじゃない。こうなると基盤交換となるが、1、半田クラック修理が出来ていないSMDチップがあるかもしれないので、ホットエアで出来る限りのチップにリフロー処理を施す。

すると、あっさり直ってしまった。

どこかは判らないが(←これが一番悔しい)SMDチップの半田クラックが原因だったようだ。最初からやっときゃ良かった、タラれば。やっぱ王道のオーブンリフロー論理は最強だ。

という事で、不具合の原因は7Pケーブル断線と基盤のハンダクラックだった。

今、散見される「キャリブレーション動作が止まらない」不具合の原因はほぼ7Pケーブルの断線

修理完了。さっそくiRacingでコースイン。

自慢動画をアップ(汗)

半田クラックの原因は、前ハンコンオーナーが壊れたと思って腹を立て、腹いせにハンコンを叩いたか投げたか、何か強い衝撃を加えた所為でハンドルベアリングと基盤に影響が出たのだと思う。それにイギリスから1万キロも旅してきた訳だから、その影響もあるのかもしれない。単なる経年劣化なのかもしれないが、やはり電子機器のアキレス腱とも言うべき半田クラックは厄介だ。

暫くケースを開けたままにしていた所為で、グリス散布部にほこりが溜まったりグリス切っれぽかったので、清掃グリスアップしたら以前よりスムーズに動くようになった。これも怪我の功名。

ハンコン壊れて壊して2か月強。そりゃぁ時間が勿体ないので新品買いなおすのが一番手っ取り早いのだが、このハンコン、結構な値段がする。それが1年2年で壊れるなんておかしい。・・・あ、今回は私が壊したからしょうがないのだが、ネット記事を見ていると故障したから交換という事をよく目にする。2年間の保証があっても割に合わない。ロジテック、ロジクールの対応も保証期間内で交換はするがその後、修理はしないという対応も疑問。それで「お客様に満足して頂くためにアンケートを取って云々・・・」。それって形式だけじゃないか。よく言う「形式だけのQMS」。そんなの最初から止めた方がいいぜ。なので、これからの使用でまた壊れると嫌なので直してやろうと考えました。途中何度も諦めかけたが、プリンタ修理同様、意地ヽ(`皿´)ノでも直しちゃると諦めず頑張りました。ええ。私、頑張りました。人間、何事も諦めずやってみるもんだ。それなりに苦労と時間とお金は掛かったが、初めてのebay個人輸入も体験出来たし、お金に代えがたい得るものがあったので良かったと思います。(←偉そう)
さて、我慢してたiRacingを思う存分、堪能するとしよう。

故障症状、原因と対策まとめ

症状原因対策
ハンドルが左に一杯切たままハンドルが効かない。 電源不良。コネクタ抜け。 ACアダプタ、コネクタ抜け確認。基盤への電圧チェック。断線修理。
最初のハンドル回転動作(キャリブレーション)が行われない。 電源不良。コネクタ抜け。 ACアダプタ、コネクタ抜け確認。基盤への電圧チェック。断線修理。
ハンドル部スイッチ反応なし。ハンドル用7P配線断線、コネクタ接触不良。 配線チェック、断線修理。コネクタ、基盤半田クラックチェック。
キャリブレーション動作異常。(繰り返す。途中で止まる等)ハンドル用7P配線断線、コネクタ接触不良。 配線チェック、断線修理。コネクタ、基盤半田クラックチェック。
ハンドルが重い。引きずる。ベアリングズレ、摩耗。ベアリング修理。グリスアップ。
フォースフィードバックが無い。途中で切れる。基盤半田クラック。 半田クラック修理。リフロー処理等。
フォースフィードバックが無い。センタリングスプリングが常時効く。ハンコン操作も伝わらない。レジストリ誤登録。下記レジストリ削除しPCを再起動。GHUB起動しデバイスを確認後、シムソフト側で再デバイス初期設定。
HKEY_CURRENT_USER\System\CurrentControlSet\Control\MediaProperties\PrivateProperties\Joystick\OEM\VID_0D8C&PID_C24F
他機種でも同様。
(最後の数値を読み替える)
G920:PID_C262
G923(Xbox):PID_C26E
G923(PS):PID_C266

その他部品情報

モーター型番:RS-555SH-15260

その他、症状と対策が判り次第追加していきます。

追記:2022年10月27日 基盤入手

実は、G29の本体基盤が売ってたりする、何でもありのこの国。

追記:2024年7月13日 フィードバックが無い

ひょんなことからハンコンを別のPCに接続する事になったのだが、フォースフィードバックが効かない。というか、センタリングスプリング(ステアリングが中央に戻ろうとする)が常時効いた状態に陥り、フォースフィードバック感が何も無い。その他、デバイスとしてG29は認識しているのだが、ハンコンの動作もシムレースソフト側に伝わらない症状。他PCでは正常なので、原因はハンコンではなくPC側と判断。ググるとレジストリが悪さをしているとの情報あり。確認すると、末尾[PID_C24F]に「Logicool G29 Driving Force Racing Wheel USB」と[PID_C260]に「G29 Driving Force Racing Wheel」のレジストリがあるのが確認できた。

HKEY_CURRENT_USER\System\CurrentControlSet\Control\MediaProperties\PrivateProperties\Joystick\OEM\VID_0D8C&PID_C24F

早速[PID_C24F]を削除し、PCを再起動、GHUBを起動した後に各ソフトのハンコン初期設定を行うと、フォースフィードバックがきちんと効くようになった。「PID_C260」は関係ないようだ。

以前はシムレースソフトの初期設定時にでもセンタースプリングが効いてしまった状態で、ステアリングやペダルの数値が反映されていなかったが、改善後はセンタースプリングも切れ、各ハンコンの数値も正常に反映されている事が確認できた。

正常なレジストリ値は、「Logicool G HUB G29 Driving Force Racing Wheel USB」となっている。

良くあるUSB特有のドライバの当て方の問題で、最初にハンコンをPCに接続する際、OS側から間違ったドライバが先に自動インストール(デバイスの準備)されてしまうとこのレジストが追加されてしまい、効かない症状に陥るようだ。なので、ドライバとしてLogitech Gaming Softwareで後から当てようが、Logitech G HUBで当てようがレジストリキーが存在するので本来のレジストリが当たらずこの症状が出てしまうという事だ。順序としてはLogitech G HUBで最初にドライバを当てるのが正解。
削除するレジストリパスは上記「故障症状、原因と対策まとめ」に追加した。

Blog後記:一寸にも足らない戯言

温暖化温暖化と叫ばれているこの世の中だが寒い。とっても寒い。サーバ室の空調も止まってしまうほど。何が温暖化?これも温暖化が原因とか言うのか。その温暖化思考推奨の裏には、金の匂いが漂って来くる。あぁ、嗅ぎたくない見たくもない。

宜しければ、シェアお願いします。

8件のコメント

コメント失礼します。
ハンコン復活おめでとうございます。

私のハンコンが壊れてしまい、原因を探っていたところトランジスタが一つ破損している事がわかりました。
型番がわからず困っていたところ、こちらで交換をされている記事を発見しました。
もしトランジスタの型番をご存知でしたら教えて頂けくことはできないでしょうか?
宜しくお願い致します。

コメントありがとうございます。
チップはドナーからとったので型番はわからないのですが、チップ表面を見てみると、「A7 4」という表記が読み取れました。

これから推測すると、こちらのPDFにあるチップなのかなと思います。
https://www.s-manuals.com/pdf/datasheet/b/a/bav99_national.pdf
修理の一助となれば幸いです。

ちなみになんですがモーターの型番はわかったりしませんか?
こちらg27のモーターが逝ったようでどうせならg29のモーターに
変えちまおうってことでg29の型番を検索してるんですがどうも出てこなくて….

コメントありがとうございます。

RS-555SH-15260

です。
この型番で検索するといくつか出てきますが、海外サイトかなぁ・・・。
ご健闘をお祈りいたします。

初めまして。
私も遂にハンコンを購入したのですが値段に勝てず輸入品を選んでしまいました。
正規品でも2年の保証期間なら輸入品で2年以上使い続けられれば大差ないのでは…と思ったからです。
しかしこのページを拝見してもし不調が起きても泣き寝入りせずやってみようと思えました。
ありがとうございます。

コメントありがとうございます。
少しでも解決策に繋がれば幸いです。

ハンコンご購入おめでとうございます。
どうしても値段に釣られちゃいますよね。
でも、工夫次第で乗り切れれば、それはそれで良い買い物だと思います。
折角購入されたんですから、存分にシムレースを楽しみましょう。

みなさんから頂けるコメントが何より励みになります。
拙いブログですが、また何かお役に立てれば幸いです。

ありがとうございますツ
ハンコンでDirtRallyをプレイするのが楽しみです!
同じくG29を選んだのでもしもの時は参考にさせていただきます。

DirtRallyですか。良いですね。
ダート系はまだ未チャレンジですが、
私もこれから色々やっていきたい思っています。
拙いブログですが、何かお役に立てれば幸いです。

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