ガソリン臭い
週末の日曜日の午後、いつものように明日の出勤に備えて我メルセデスを綺麗に洗車する。
今回は汚れの溜まった内装にも丁寧に掃除機をかけた時だった。なにか、どこかで嗅いだ事のある懐かしい匂いがする。
えーっと、これなんだっけ。あぁ、よくバイクの中古車屋で嗅ぐ匂いだ。好きな匂いなんだよなぁ~・・・って、これガソリンの匂いじゃないか!!
室内でこの匂い?という事はどこからか漏れてるのか?もしかしたら、定番の燃料ホースからか?と、ボンネットを開けると、きついガソリンの匂いがする。こりゃいかん。ガソリン漏れ確定。
だとしたら、アンダーカバーに漏れ後がある筈と、ファイバースコープを突っ込んで慌ててみてみる。が、漏れ後はあまりない。ホース自体も健全そう。んー?なんだ?
猫ちゃんのマーキング
同時期にフロント左ホイールに猫のマーキングがあった事を思い出した。ガソリン漏れが疑われる燃料ホースがある方向だ。ハイオクの匂いはレギュラーより独特でキツイ匂いがする。何故ならば添加剤等が入っているからだ。これはあくまで私見だが、ハイオクには猫が反応する匂い成分(縄張りマーキング等)が入っているのではないかと思っている。
高圧ポンプ側の燃料ホース
もしかして高圧ポンプ側か?と配管に手で触ってみる。見事に濡れている。
ありゃりゃ。どうすべな。今日は日曜のもう夕暮れ。こんな状態で明日の出勤には使えない。
ん~~~、と考えて、とりあえず、家内のケロヨン号を借りて来週まで過ごすことにする。家内も車を使う日があるので、その日は会社まで送迎してもらう事に。家内には苦労ばかりかけてすまない。
部品発注
いつもの部品屋さんで部品を発注。なんとか週末には間に合いそう。
ガソリン漏れ箇所は高圧ポンプ側パイプだが、定番の漏れ箇所の下側ホースも一緒に変えておく。配管同時交換はセオリーだ。
クランプは再利用できるらしいが念のため交換する。しかし、クランプが一つ400円!そして、たかが燃料ホース一式で1万円超えるというこの維持費の高さ。工賃を含めると目も当てられない。政府も何もしてくれないこの物価高の影響を受けた一般市民の悲鳴に対抗するには、こういう自衛策しかないのだ。まったくよ。
手術決行
まだ、春というには寒い気温。しとしとと雨も降ってきた。おかげで気温も少し上がる。なんとかカーポートで雨を凌ぎながらの作業。作業にあたって消火器を準備しておく。本来はこの類の作業は家庭なんかでしちゃ駄目なんだよな・・・。
高圧ポンプ側
まず、たいそうな直噴用高圧ポンプシールドを外す。
更にゴムのサイレンサーも取り外すと、ポンプ本体が姿を現す。
見た目は健全そのもの。なんで漏れるんだよ。おそらくはこの欧州車で使われているこのCLICK/CLICK-R規格のクリップの所為。専用のプライヤーが必要なので、ちょっと厄介。
価格が1,000円しないものもあるけど、やはり安物は使い物にならない場合が多い。かといって、1万以上するものは、良いんだろうけど、プライヤーに1万円ってどうなん?
アンダーカバー
アンダーカバーを2枚取り外す。ファイバースコープではわからなった何か液体が溜まった後。
丁度燃料ホースの有る所辺り。洗車時の洗剤かLLCが溜まったようにもみえるのだが、匂いを確認する前に綺麗に洗ってしまったので何だったのか今ではもう判らない。
もし、これがガソリンだったとしたら、かなり前から漏れていたことになる。よく引火しなかったな。恐ろしい。
燃料ホース状態の確認
下側のホースの状態。
見た目には漏れ後もないし、劣化している感もない。でも、この際交換する。
というか、この重要なパイプ接合部分にクリップ固定ってなんでなんだ。日本車じゃ、ブレーキホース等と同様に、ホースは圧着カシメとフィッティングで絶対に漏れないように固定する所なのだが、欧州車って、厳格な所とこのようなダルな部分の差が激しすぎる。未だにその感覚が良く判らん。
オイル垂れ後を発見
このカバーを外して初めて気が付いた。オイル漏れというか、垂れ後。
オイルレベルゲージからのオイル垂れ。漏れではない。固形化しているので、クリーナーでふき取ろうとしても全く落ちない。相当前から垂れていたものが放置されていたと思われる。しかも結構な量。どうやったらレベルゲージから垂れさせられるんだ。実は以前から何点かぞんざいな整備跡を見てきた。全く、前整備担当は下手くそにも程がある。
ホース取り外し
減圧バルブから燃料ホースの残圧を抜いてからクリップを外し、ホース全体を取り外す。
車体側につなぐホースは約22.5cm。1mの切り売りしかないので、相当余る。
まぁ、同径なら他のホースでも間に合うんだろうけど、純正に勝るものなしなので、ここは大人しく純正を買う。
上下のホース劣化自体は、亀裂等が入っている等はなく、経年劣化で硬くなっている感じだけ。
なので、このきついクリップで止めている分、硬化した箇所がこの寒波で金属、ゴム側が両方収縮し、ゴムとパイプに微妙な隙間が発生して漏れがでたと思われる。この車両は、エンジンがかかっていなくても、開錠状態だと不定期に燃料ポンプが動くので、エンジンが冷えている場合に漏れが酷くなる。エンジン暖気後は漏れが発生しないのはこれで辻褄は合う。
新品に交換し、元通りに戻す。
問題は冒頭に書いたこの厄介なクリップ。2本のホース径はほぼ同じだが、高圧ポンプ側は整形してあるので若干硬い。その所為でクリップをロックするとこまで締めるには結構な力がいる。加齢の弱った握力と、車体下に潜った体制で片手では一発で留まらない。これが結構難しい。
確かに、トルク管理が正確なのでそれは認めるが、でもね、径と硬さが微妙に違うから、高圧ポンプ側は少しオーバートルクのような気がする。実際漏れてるし。といっても、もう8年目。しょうがないのか。という事は他のパイプもか・・・。
それにしても再利用可能という割には、すぐにへしゃげる。ネジでさえ再利用不可が多い車なのに、見た目へしゃげてたら、こっちの方が使いたくなくなる。何度か失敗してクリップを駄目にしたが、何とか止める事ができた。
劣化防止に遮熱パイプでも追加で被せるようかと思ったけど、あと8年大丈夫という事は、まぁ必要ないかな。
しっかりそのクリップで止め、漏れがないかエンジンをかけてテストしてみる。上下とも問題無し。勿論あの懐かしい匂いはしない。
アンダーカバーを洗浄
ホース交換作業は終了したので、アンダーカバーを戻すだけ。その前に、汚れた所を洗浄する。汚いし、なにより故障を見つけづらくなるので、綺麗に掃除。
完成
しばらくエンジン始動後、しばらく経っても漏れ、匂いはしない。逆に軽くゴムの焼けるような匂いはする。新しいホースが熱で温められている匂いだろう。異常なし。だが、しばらくは定期的に要観察。
考察
最近のエンジンルーム、また、欧州車はアンダーカバーが当然のようについている。なので、漏れや故障が分かりにくい。そのためのODB2等のXentry Dasが備わっているのだろうが、漏れ等の不具合はセンサーが警告を出した時点ではかなり深刻なダメージを追っている。日頃からの洗車、点検、そして、見た目だけではなく「匂い」で気が付く、判断する事が大切だなと改めて実感した。
しかし、車体下に潜る作業は老体には厳しくなってきた。終わった直後はもう二度とやるもんか。と思うのだが、またやりたくなるのが車好きの性分。
クイックジャッキ買いますかねぇ・・・。一応、万が一の為に車載型消火器も買って車に載せた。
外車には必需品か。
編集後記:一寸にも足らない戯言
コロナも第8波もようやっと下火になり、寒さもひと段落してやっと春~、と思ったら、またリーマンショック並みの破綻劇。ドルも急落。これがどう日本に影響が出てくるのか、じわじわまた来るのかね。泣きっ面に蜂どころか、もう、国民はボコボコで疲弊状態でんがな。
計:11,560円也