フロントフォークO/H
さて、フロントフォークのオイル漏れを修理するので、パーツを取り寄せO/Hする。
まずはフォークを外しましょう。
外して良く見てみると、オイル漏れと、フォークブーツの粉?のようなものが付着している。
SSTとしてはフォークシールドライバ(シールプッシャー)とフォークダンパを固定する工具が要る。フォークダンパ固定用SSTは恐らくは高価なものだ。そして一般には売っていない。インパクトを使えば外れるが、規定トルクで締め付けようとするとこのSSTが必須なのである。どうやら穴の開いた六角の筒が必要のようである。色々ネットで調べると、エンビ配管で代用しているつわものもいらっしゃるようだが、まぁ、分解してから考える事にする。
インパクトでバババッと回すが、やはり中で空回りしているのでなかなか外れない。中でジャムって暴れて壊れると怖いなと思いつつもそうするしかないので、暫く回しているとなんとか取れた。幸い、中も不具合は無かった。
ヘドロのような液体
オイルは透明茶色。最後になるにつれ、ヘドロのような灰色の液体が出てきた。
各部を洗浄し、リング等を新品に交換する。ちなみに、マニュアルの図解にはピストンリングの説明が抜けている・・・。
ピストンリングはそんなに摩耗は無かった。
ピストンロッドのリングは非分解式なのかな?そんなに摩耗と言う事も無かった。
フォークチューブ
チューブブッシュは表面はやはり新品の方が滑らかだ。
その他、新品にしなければいけいないパーツを交換。
このワッシャは再利用できるような感じではある。
インナーチューブはキズが出来てしまっていたので細かいコンパウンドで磨きあげる。
SST製作
さて、フォークダンパを固定するSSTだが、内径は27mmとなっている。中の穴は10mm位あればいいかな?測るの忘れた・・・。
エンビチューブだと不安だし、何かないかとホームセンターを俳諧するが良いものが見当たらない。27mmナットさえ無い。ネットではあるが、時間がかかる。ふむ。じゃぁ、今ある材料でつくりますかという事で作業開始。
丁度いいサイズのパイプと良いサイズのワッシャがあったので、これを削って六角サイズにあわす。
これをアルミソルダーでろう付けする。
熱が加わらないから溶接ではなくてろう付けで良いのだ。
最後にさび止めとして塗料を塗って完成。
フォークを組み上げる
センタロックボルトにネジロック材をつけ、作ったSSTをフォークダンパにぶっ刺し固定して、規定トルク(5.5kg)で締めるのだが、なかなか硬いので本体を固定するのに手間取る。
なんとか規定トルクで固定できた。ちなみにセンタボルトは14mmのヘキサゴンソケットで固定する。
シールドライバー
さて次はシールを打ち込む。シールを打つのに4千円前後するシールドライバー(プッシャー)というSSTをつかうのが定石だが、そんなもんは要らん。外したオイルシールの余分なゴムを切り取り、C型に切れ目を入れる。これでシール当て木の完成。
あとは、シールを叩く為の筒だが、ガレージ用に使っていた足場用単管の余りがあったのでコレを使う。接触面をテープで保護しておく。これでフォークシールドライバ代用SSTの完成。
シールを打ち込む
また、シールを挿入する時にインナーフォーク先端にサランラップを被せて・・・、と言うのがセオリーらしいが、そんなもんも要らん。マスキングテープで十分だ。サランラップだと長く切った所がしわになり、余計シールにダメージを与える。
新品シールを入れたら、作ったシール当て木を上に乗せ、更に単管を上かから乗せて叩く。それだけ。
シールが完全に入ったら、マイナスドライバ等で当て木の切れ込みからこじって外せば完了。
このフォークのシールは少し変わっていて、通常、オイルシール、ストッパリング、ダストシールの順だが、最後にストッパリングで固定するようになっている。
さて、ダストシールはいくらプッシュしても外れる。どうやらこれを止めるためにスプリングが最後に設定されているようだった。
そのストッパリングはまだ使えそうだったが、一部錆びていたので念の為交換する。
フォークオイル注入
組み込みが完了したので、次はオイルを注入する。オイルは477cc、粘度はホンダウルトラCO5番。オイルレベルは9cmとなっている。ネット上にあったフォークオイルの粘度表を参考にし、CO5番と近似値の粘度で一番安いスズキのオイルをチョイスした。ヤマハもしかりだがこのオイルの色は赤である。
規定量測ってオイル投入。暫くロッドを上下に動かした後しばらく放置。空気が抜けた所でレベルを再確認する。オイルレベルは細い棒を入れて確認。過不足があればスポイドで抜いたり足したりすればいい。なにか仰々しい注射器とかあるようだがそんなん要らんって・・・。
次に、フォークボルトとそこに付いているプラグボルトのOリングを新品に交換。
シール、オイルを全て入れ終えた所でフォークボルトを傷つけないようにパーツのビニールを噛まして規定トルクで締め上げていく。
サーマニュの通り針金でロッドを釣るというこの動作が自分には納得がいかない。横からスプリング上のワッシャにナットを引っ掛けて固定し、上からフォークボルトをねじ込めば済む話だ。
O/H作業はこれで終了。
これで完成!・・・が?
さぁ動きはどうかな?とフォークに体重をかけ動かして確認すると、何か変・・・。動かない事は無いがスムーズに動いてくれない。なにか引っかかり感がある。何故?何も間違っちゃいない筈・・・。
色々考えた結果、オイルが悪いんじゃないか?と言う事でホンダ純正ウルトラCOを取り寄せてみた。
このホンダウルトラCOのオイルの臭いを嗅ぐと、ハイポイドギアオイルの臭いがする。スズキのオイルにあったATFのそれとは違う。色はほぼ透明の茶色。
オイルは純正が一番
恐らくはこのカートリッジサス用のオイルはクリアランスやリングの材質が普通のフォークとは違うのでATF用オイルでは滑らず、ギアオイルの成分で滑るように作っているようだ。そりゃ引っかかりもすると言う訳だ。
結果、思った通りオイルを純正と入れ替えてみたらスムーズに動くようになった。
フォークに限らずATFやギアオイルは、オイル粘度表だけを頼りにしてチョイスすると危ない。ホンダは特にだが、エンジンオイル以外は純正が一番なのだ。フォークオイルは477㏄なので1Lひと缶あれば十分足りる。高いけどここはケチらないで純正を買ったほうが吉。私はスズキオイル分損しました(泣)
フォークブーツを交換
今度こそ完成したので、ぼろぼろだったフォークブーツを新品に交換し装着して終了。
という事で、無事フォークが完成した。
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