Outlookのデータファイルが最大サイズに達してしまい送受信が出来なくなった。

言わずと知れた、マイクロソフトオリジナルメーラー、Microsoft Outlook。

今でさえ安定しているが、10年程まで迄は動作がとても重く、ファイル容量制限も低く、更にはデータが消える等の不具合が多かったので使えたものではなかった。なので、代替としてOutlookExpressや、サンダーバードを使っていたが、Outlookも2016辺りからはかなり使いやすくなり、最大容量も50Gと言うほぼ無制限に近い容量になったので使い始めていた(97-2002バージョンは最大2G)。

そもそも、OutlookExpressはサポート終了となるので、企業での利用としては進める事ができないので、そのタイミンでOutlookに移行を進めていた経緯がある。

注意すべきは、Outlook(オフィス)が新しいバージョンでも、2002年以前のOutlookからデータ移行を続けていた場合、PSTファイルだけが(97-2002)バージョンにとどまっている場合がある。

その場合は、PSTファイルをバージョンアップする必要がある。バージョンアップ(データ移行)については、回避策2を参照。若しくは、MS本家サイト「Outlook データ ファイル (.pst) の記憶容量を Outlook 97-2002 から増加する」を参照。

Outlookデータファイルは最大サイズに達しました。

だがしかし。やはりこの容量を使い果たすという強者が居るのも確か。

送受信は勿論、削除や移動を行うとこのエラーが表示されてしまう。原因は勿論、メールの貯めすぎによるものだ。とりあえずは、容量を確認するとやはりファイルブラウザ上では50Gを少し超えていた

ファイルブラウザ(エキスプローラ)上の表示

エラーの原因

この現象のそもそもの原因は、Outlookデータ領域制限「50Gbyte」枠内にメールが一杯なっている事が原因なので、Outook付属の圧縮ツールを使っても、データ自体がそのままでは意味がない。

Outlookのデータファイルは、MS ACCESS(データベースツール)のデータ構造と同じで、データが増えた後にデータを消しても、データファイル自体は膨らんだままとなる。これは正常な状態。ファイルを小さくするには圧縮処理を行う必要があるが、これは、膨らんだままになっている原因の空き領域を削除しファイルを小さくする事が目的で、データ自体は減る事はない。

要は、データ容量を見るのではなく、実際のデータ(Outlookの場合はメール)をまず削除する必要がある。

パソコン自体の容量が逼迫している場合はOutook付属の圧縮ツールを使って容量を減らす事は有効だが、パソコン容量に余裕がある場合は、圧縮せずにメールだけを削除する事でエラー表示は回避できる。

また、Outlook自体が定期的に圧縮を掛けるので、大きくなったファイルを放置しておいても遅かれ早かれ圧縮が行われるので放置可能。

圧縮が自動実行されない場合もあるので、暫くして圧縮されない場合は手動で行う。圧縮ツールの使い方はこちら

回避策1

まず、不要なメールを削除する必要があるが、「削除」するだけでは「削除済みアイテム」に移動するだけなので、エラーとなってしまう。移動する余裕すらなくなっているからだ。

メールを直接消すには、「Shift+DEL」キーで削除する事で「削除済みアイテム」に動作せず、直接削除する事ができ、データ領域内に空き領域を作る事が出来る。

ただ、メールを1つ2つ消した位では空き領域としては不十分なので、少なくとも100単位のメール削除する必要がある。そうすると、システム的に余裕ができて、通常のように使う事ができるようになる。

削除しても解決できない場合は、受信トレイ修復ツールを使うか、次の回避策2を行う。

回避策2

大事メールなので消せないからとりあえず何処かに移動したい、また、前述のように本当にPSTファイルが破損し、メールを消しても上手く送受信出来ない事がある。その場合は、新たにPSTファイルを作成し、メールアカウントの標準送受信先を変更する事で回避できる。

まずは、不具合でデータが吹っ飛ぶリスクがあるので、諄いようだが、pst、若しくはostファイル自体をバックアップしておく。(←これ重要)

バックアップを行ったら、まず、Outlookで新規データファイルを作成する。

新規データファイルを作成

上部メニューの「ファイル」をクリック。

「アカウント設定」→「プロファイルの管理(O)」をクリック。

ユーザアカウント制御で、アプリケーションの許可を行い、

メール設定画面から「データファイル」をクリック

データファイルタブの画面が開くので、その中の「追加(A)」をクリック

新しく作るデータファイル名を適当に作って「Ok」ボタンをクリック。

すると、新規でそのファイル名でデータファイルが追加される。

標準の受信メールボックス設定

このままだと、単にメールボックスが出来るだけなので、標準の受信メールボックスにする場合は、「規定に設定」する必要がある。

作成したデータファイルを選択して、「規定に設定(D)」をクリックする事で、メールボックスに送受信に必要なフォルダが自動に作成される。

ただ、スケジュールやアドレス帳等は移行されないので、それは後述のインポートで処理する。

OKボタンをクリックし、閉じるボタンで元の画面まで戻ると、追加されたメールデータボックスが表示されている。

ここで念の為、一旦Outlookを再起動する。

メール移動

作成できたら、元のメールボックスから移動したいメールやフォルダを選択して、作ったメールデータボックスへドラッグする。すると移動を聞いてくるので「はい」をクリック。

内容が多い場合は時間が掛かるが移動が完了する。

フォルダ毎移動したい場合は、フォルダ右クリックでフォルダーの移動クリックし、その後、表示される一覧で移動させたい場所を選択すると簡単。

メールアカウントの移動

これだけでは、今までと同じメールボックスにメールが受信されるので、受信設定を変更する必要がある。前章でデータファイルを新規作成した「アカウント設定画面」の「メール」タブをクリックして表示する。

左下の「フォルダーの変更(F)」をクリックし、新しいメールボックス(この例ではmaildatatemp)ツリー配下の受信トレイを選択する。

※この画面の「新しいOutlookデータファイル(D)」で作成した方が簡単かも・・・

OKをクリックし、画面に戻る事で、新しいメールボックスでの送受信が可能となる。

最後のPSTファイルインポート

データファイルを変更する事で、送受信ができるようになっても、アドレス帳やカレンダーのデータは元のPSTファイルに保存されているので、このデータも移動してやる必要がある。

先ずは、そのファイル自体はアウトルックから切り離されている必要があるので、プロファイルから削除する。

ここで削除処理をおこなっても、実態のファイルを消しているわけでは無いので注意。

※諄い様だが、大事なデータの場合は復旧できるようにバックアップしておく事をお勧めする。

メールのホーム画面に戻り、ファイルニューから「開く/エクスポート」→「インポート/エクスポート」を選択

「他のプログラムまたはファイルからのインポート」選択し、「次へ(N)」をクリック。

Outlookデータファイル(.pst)を選択し、「次へ(N)」をクリック。

先ほどOutlookから削除した旧使用のPSTを選択し、「次へ(N)」をクリック。

インポートしたい項目を選択。複数ある場合は繰り返す。

これで、データの移行が完了する。

OutlookExpress等と比べると簡単だが、移行をもっと簡単にできるようにしてほしいものだ。

受信トレイ修復ツール

メールを削除してもエラーを回避できない場合は、データが損傷している場合があるので、マイクロソフト直伝の受信トレイ修復ツール(SCANPST.EXE)で修復を試みる。

受信トレイ修復ツール自体(scanpst.exe)はパソコン内にあるので、リンク先から自分の環境を確認して見つける事が必要。

SCANPST.EXEの場所の例 
C:\Program Files\Microsoft Office\root\Office16\SCANPST.EXE
C:\Program Files (x86)\Microsoft Office\root\Office16\SCANPST.EXE

※自分のパソコン内をファイル名(scanpst.exe)でスキャンすれば見つかるが、結構時間がかかる。

注意:受信トレイ修復ツール(scanpst.exe)は上記サイト中の、”一般的な場所”にある該当PCのフォルダを参照しても無い場合があるのでご注意。見つからない場合はこのフェーズを飛ばしてください。
また、ファイルが見つかっても動かない場合もあります。今の所、原因は分かっていません・・・。

受信トレイ修復ツールは、データを破壊する事もあるので、実行する前にpst、若しくはostファイルのバックアップを取って置く。
修復ツールを実行中にバックアップを取得するか聞いてくるが、実行する前に保存する事をお勧めする。

※このPSTファイル修復ツールで、「他のアプリケーションで使用中です。」と言うメッセージで修復できない場合はこちら↓。

MicrosofOutlook

実行結果

完了にはかなり時間はかかる。以下の画面はエラーがあった場合。

データファイルを前もってバックアップしていれば、バックアップオプションは外して構わない。

処理には1時間以上を要した。その間、SCANPST.EXEは応答なし状態になるので注意。
修復は完了したようだが、エラー自体は消えず、また、ファイルサイズも劇的な変化はなかった。

修復後のファイルサイズ

そもそもこれは、インデックスなどが壊れている場合に修復する為のもので、PSTファイル自体のファイルサイズは小さくならない(多少は不良ファイルの削除等で削小さくなる)。

圧縮ツール(今すぐ圧縮)

風船のように中身が何も入っていないのに大きくなったファイルを小さくするには、前章で説明したようにほおっておけば勝手に圧縮してくれるのだが、今すぐ小さくしたいという場合は、圧縮ツールを手動で実行する事が出来る。

圧縮方法

データファイル作成時に開いたアカウント設定で、縮小したいPSTファイルを選択して「設定(S)」をクリックする。

そのファイルに対しての情報、操作ボタンが表示されるので、「今すぐ圧縮(C)」をクリックする事で圧縮が始まる。容量によっては時間が掛かる場合がある。

勿論この作業をする前に、バックアップを取っておく(ファイルコピー)する必要が有る事は言うまでもない。

実際の時間は削除した数にもよるが、時間が10分程度かかり25G程度までファイルサイズは小さくなった。

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